8月11日は「山の日」。2016年に試行された、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨とした「国民の祝日」です。日本人にとって「山」は、山の実りを与え、生活を見守ってくれる神さまです。とても身近な存在でもあり、近寄りがたい存在でもあります。日本人と縁の深い「山」の「日」について、説明します!
山の日とは
山の日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨とした「国民の祝日」。
山に関する祝日を制定するにあたっては、他の祝日とは違い、その由来となる特別な根拠や出来事があったわけではありません。
1995年に「海の日」がつくられたのち、海に隣接していない、あるいは山と関わりの深いいくつかの県や自治体により、独自の「山の日」が制定されました。
その後、作曲家・船村徹氏が「海の日があるのに、なぜ山の日はないのか」と、正式な祝日として「山の日」を提唱。それをきっかけに複数の関連団体による制定協議会が発足され、多くの話し合いを経て2014年に「山の日」が制定されたのです。現在制定されている日本の祝日の中では、最も新しいものです。
【開運】山の日の開運法3つ
山の日に開運.1 遙拝
日本人にとって山は、古くから特別な存在です。
霊峰富士をはじめ、遠くに見える山も近くの里山も、「山そのものが神様」と信じられてきました。
神さまによじ登るのは不敬なこと。よって、ふもとから拝む「遥拝(ようはい)」の風習が生まれました。
その後、少しでも神さまに近づきたいという気持ちが、お山参り、登山拝となっていきます。
遙拝とは、山に向かって手を合わせ、遠くから静かに崇めること。山の日をきっかけに、日々「遥拝」を習慣にすれば、心身の浄化や運気上昇が期待できるでしょう。
山の日に開運.2 登山拝
山の日には、実際に山に足を運んでみましょう。
かつて修験道の行者たちは、山に分け入り自然と一体になることで神仏とつながる「登山拝(とざんはい)」を行っていました。登山は単なる運動ではなく、神域に入る神聖な行為です。
山に入るときは、決して無理をせず、過信せず、自然を尊重して歩きましょう。
登山道で見つけたゴミを拾う、道を譲るといった陰徳(人知れぬ善行)を積むことも、心を整え運気を高めるカギです。神さまはそうした行いを見ています。静かに自然に触れ、感謝の気持ちをもって登る一日は、人生の節目に福をもたらしてくれるでしょう。
山の日に開運.3.山の幸
山の日には、山の恵みをいただきましょう。
山菜やきのこは、山の精気と大地のエネルギーをたっぷり含んだ食材。古くから精進料理や薬膳としても珍重されてきました。
また、山の湧き水や天然水を使ったお茶や料理は、心身を浄化し運気の停滞を流してくれます。「いただきます」と手を合わせて感謝しながら、自然の恩恵を味わうことで、体も心も軽くなるのです。
イノシシ、鹿、鴨などもジビエも山の幸です。持続可能な食文化として注目されています。
食を通じて山とつながることで、生命の循環に参加し、運気もじわじわと上向いていくでしょう。