3月は、6日から二十四節気でいう「啓蟄」に入ります。冬眠していた虫たちが、春の日差しを感じて、土中から這い出して来るという意味です。「蟄」とは虫が冬ごもりすること。「啓」とは開くという意味です。
そして、21日ごろ(2024年は20日)は「春分」。1日の昼の長さと夜の長さが同じになる日で、この日を境に徐々に昼が長くなっていきます。
立春から春分の間の強風を、春一番と呼びます。本格的に寒さが緩み、春を実感し始めるでしょう。
ひな祭りとは
3月3日のひな祭りは、上巳(じょうし)の節句ともいい、五節句のひとつです。
中国では、川で不浄を祓う習慣があります。これが、平安時代に日本に伝わり、季節の変わり目に水で禊ぎをして、穢れを移した形代を川へ流す、という風習として取り入れられるようになりました。
その後、平安貴族の行事だったものが武家社会に受け継がれ、さらに江戸時代になると一般庶民の行事として広がったのです。
現代では、豪華なお雛(ひな)様を飾り、女の子の健やかな成長を願う行事に発展しました。現在のひな祭りのお祝いは、3月3日の当日か、前の晩にします。
雛人形を飾る時期は、立春過ぎが目安。2月半ば過ぎの「雨水」に飾ると良縁に恵まれると言われています。また「啓蟄」より後にしまうと、縁を逃すとも言われています。
ひな祭りで開運! その1・ちらし寿司の具材は縁起物を
ひな祭りのご馳走・ちらし寿司の具材には、縁起物を選びましょう。
筍や山菜などの食材は、「芽が出る」ので縁起良し。海老は、「海老のように腰が曲がるまで長生きする」ので縁起良し。蓮根は、「遠くまで見通す眼を持つ」で縁起良し。錦糸卵は、「金銀財宝を表す」ので縁起良し。
まさに、おせち料理にも通じる縁起の良さです。一緒にたしなむ白酒は、邪気を払ってくれます。
ひな祭りで開運! その2・蛤(はまぐり)を食べる
蛤(はまぐり)は、その2枚以外の貝とは絶対に合わさらないことから、女性の貞節を表すとか。今の時代、男性の貞節も表しているのでしょう。一夫一婦の願いを込めます。
ひな祭りに蛤を食べるのは、幸せな結婚生活を願うということからきているのです。ぜひお吸い物や焼き蛤で!
ひな祭りで開運! その3・菱餅を食べる
菱餅(ひしもち)は、上から赤、白、緑の3枚を重ねた餅菓子です。「菱餅」の名の由来は、菱の実からきています。
栄養価も高く薬効もある菱の実は、古来より重用されていました。子どもの健康を祈るひな祭りの菱餅に、かつて菱の実が入っていたのは、そんな理由からです。
ほかに、厄除けの効果がある蓬餅や、赤い色をしている桜餅を食べる新しい習慣もあります。